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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

ロッキー・ザ・ファイナル

ロッキー・ザ・ファイナルのDVDを借りてきて見ました。

引退して年老いたかつての世界チャンピオンが、
現在無敵の現役の世界チャンピオンと戦う???

あまりにも非現実的な設定です(苦笑)

とはいえ最後まで見てしまいました!

シルヴェスター・スタローンが
あまりにもロッキーにはまっています!

そもそも「ロッキー」自体がありえない設定の物語です。

建国200年祭のイベントの世界ヘビー級タイトルマッチで、
世界チャンピオンであるアポロが対戦相手に
無名のボクサー「ロッキー」を挑戦者に指名する。

そんな馬鹿な話があるか?

ところが、これは実話を基にしています。

時は1975年世界ヘビー級王者のモハメッド・アリが
対戦相手に選んだのは、
全く無名で本業は保険の外交員という
35歳のロートル「チャック・ウエップナー」でした。

これがいかに世界を驚かせたか?

まず、モハメッド・アリがどれだけ凄いボクサーだったか、
語らなければなりません。

アリはローマオリンピックの金メダリストからプロ入りして、
無敗のまま世界王者に上り詰めます。
それ以前のヘビー級は力任せに殴りあうだけでしたが、
アリシャッフルと呼ばれるフットワークを使って、
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」
という華麗さがありました。

それに加えて「ビックマウス」と呼ばれ
相手を挑発するような「ほら」を吹き
予告KO宣言をしたりする
ショーマンシップにあふれていました。

順調に防衛を重ねるアリでしたが、
いきなりタイトルを剥奪されます。
その理由は「ベトナム戦争への徴兵拒否」
ベトナム反戦運動の旗手にまつりあげられます。

ベトナムからアメリカが撤退し、
アリもようやくリングに戻ります。
しかし、全盛期に3年間のブランクは大きく、
世界王者に挑戦しますが退けられます。

2年後再び力を蓄え、
40戦全勝37KO勝ちという殺人的な強さを誇った
ジョージフォアマンに挑み、
ついに世界王者に返り咲きます。

アリは当時、世界で最も有名な男といわれました。
さて、果たして最初の防衛戦を誰と行なうのか?

世界が注目する中、発表されたのが
チャック・ウエップナー戦でした。

新聞には

「多くの人はただもう驚き、
残りの人は悪い冗談だと受け取った。
そう思わなかったのはただ一人、
チャック・ウエップナーその人である」

とまで書かれます。

勝敗予想などは成立しません。
アリの勝ちは決まっています。

アリ自身が

「今度の試合には何もしなくてもお金が貰える」

と言っていたぐらいです。

ところが蓋を開けて見ると、
チャック・ウエップナーは予想外の善戦!
アリからダウンまで奪います。

結果的にアリはKOで勝ったとはいえ
試合は15ラウンドまでもつれたのでした。

これがロッキーのモデルとなった試合です。

ロッキーは再戦で世界王者となりますが、
ウエップナーが世界タイトルを戦うことは
二度とありませんでした。

一方アリは世界王座を防衛し続けますが、歳には勝てず
19度の世界タイトル防衛と3度の世界王者返り咲きを
土産にボクシングの世界から遠ざかります。

アトランタオリンピックの開会式で
病気のためプルプル手を震わせながら
聖火台の点火していた姿が印象的でした。

引退して何十年も経ったボクサーが復帰するのは
ありえない話ですが、
段々と老いに近づいて行く人間にとっては
夢のような話です


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